魚三会、発足。〜俺と所長のグッドイブニング〜

最高の絵面。
こちら、門前仲町出てすぐの、魚三酒場。
老舗であり、現役でも超人気店である。

昨日は、前職でたいへんお世話になり、
「おおやまちゃ〜ん」
と誰よりも可愛がってくれていた所長と、数年振りに再会してきました。
仕事を辞めて、劣等感やなんやかんやでご連絡を出来ずにいたが、先日ようやく踏ん切りがついてお電話した。
所長はメールの類いが一切扱えないため、通信手段はいつも電話オンリーだ。
一応、メッセージを読むことはできるそうで、以前待ち合わせに少し遅刻しますというメッセージを送ったことがあった。
勿論、返信はない。
最高か。
繋がりすぎてしまう昨今が肌に合わない私、そういう電子への疎さも含めて、所長が大好きなんである。
この間、千木良屋のカウンターで一杯やっていたところに着信があり、いよいよ世間も落ち着いてきたし、呑みにいこうじゃないかと約束をした。

15時に銀座で待ち合わせ。
魚三が開店するのは16時なので、15時半待ち合わせでいかがですか?とお聞きしたところ、いや15時にしようと言われた。
魚三酒場はかなりの人気店故、開店前に並ばなければかなり待つことになるのだ。
実際には早く着きすぎてしまい、店先には誰もいなかった。
さすがに列の一番頭というのは気が引けるということで、近くのお寺へお参りに行った。
所長が現役の頃は、仲の良い先輩と魚三で呑んだ帰りにお参りをするのがいつもの流れだったそうだ。
そういうの、めっちゃ良いよね。
こじんまりとしつつ、立派なお寺で、お線香の香りに心が温まった。
開店までまだ30分以上あったが、一応様子を見てみようと戻ると、既に8人程が列を作っていた。
これは並ぶしかないですねと最後尾につく。
雪が降りそうな冷たい空気の中、お喋りしつつ待ち、遂に開店。
大きな暖簾を据えた店主さんが、入り口を大きく開け、来客が次々と吸い込まれていく。
開店時間、我々の後ろには、もうどこまで伸びているか目視できないほどの長蛇の列が出来ていた。
所長は、待ち合わせ早すぎちゃったかなあと言っていたけれど、いやいや、さすがの英断です。
一杯目は瓶ビールを注ぎ合い、完飲。
所長が燗酒にすると仰るので、私もそうしますと2人してコップ酒を注文。
おおやまちゃんビールでもいいんだよとお気遣い下さったが、上司や先輩という存在が少ない私。
「同じものを呑みます!」
というこの舎弟感が、なによりの至福であったりするのです。
所長はこの2年程、まったくお酒を呑まなかったそうで、酔っちゃうかなあとメトロのホームでヤクルトを買って飲んだり、飲酒の予防策に余念がなかった。
私も一本ご馳走になったが、久しぶりに飲むヤクルトは、あまくてとても美味しかった。
おみやげ食べようとか事務所でみんなで話して笑っていたのを思い出したりして、大きくジャンプしてしまいたいくらい、嬉しかった。
2年振りのビールを口にして、
「しみるねえ。」
としみじみ仰る所長。
わかります。
私は毎日呑んだくれていますが、今夜のお酒は、いつにも増して、グッと染み入ります。
所長チョイスで、とろぶつ、いか刺し、うにを注文。
この値段でこの量、そしてこの質と鮮度は、なかなか提供できるものではない。
店員さんはかなり無愛想でぶっきらぼうなのだが、私はベタベタ接客されるよりこういうスタイルの方が嬉しかったりする。
どれも、魚三酒場が長く愛される由縁だろう。
年齢層も、年配の方から、私より若く見えるお兄さんもちらほらいて、ここは酒呑みのサンクチュアリだと思った。
初めて行かれる方は、お店のルールを知った上での来店をおすすめします。
検索すると、魚三のルールが出てくるはず。
惜しみなく伝授下さった所長に、心から感謝。
所長おすすめのアジフライ。
他のどの居酒屋さんのアジフライより、肉厚サクサクで、感動。
以前連れてきて戴いた際にも、アジフライを食べてその美味しさに心躍った。
鮭焼きも追加注文し、コップ酒をガンガンお代わり。
所長は久々のお酒だし、おうちが少し遠いので呑み過ぎないか心配だったのだが、私も楽しくて、気付けば一緒になってぺろんぺろんに。
ひとり6杯以上は呑んだ気がする。
入社当時のことや、前社長とのお仕事のお話、私が勤めていた頃の思い出話などなど、トークには事欠かなかった。

所長もそうだけれど、私の全然知らない世界を見聞させて戴く度に、私は本当に幸福だと感じる。
この身ひとつで、生涯を掛けて知り得る世界なんて、たかが知れているのであって。
知識だったり、気持ちや感覚、エピソードを耳にさせて戴く度、嬉しくて嬉しくてしようがない。
私の世界と、まったく正反対の世界の人と、もっともっと話しをしたいし、たくさん笑って過ごしたいとつよく思う。
ひとつの場所で、特定の人や環境と共に居続けるのは、あんまり向いていないみたいです。
今回改めて思いました。
お馴染みのトイレでの自撮り。
めちゃくちゃいいお顔していらっしゃる。
「おおやまちゃん、魚三会しなくちゃだねえ。」
と、所長がナイス提案をして下さった。
絶対やりましょうと返答すると、また来月、頃合いをみてお電話をくださるという。
いいねえ、電話。
メール文化なんて、プライベートじゃ、なくってもいいんだよねえ。

呑み始めが早かったので、19時ごろおひらきに。
所長がすぐ近くの和菓子の老舗、伊勢屋さんで、栗羊羹と黒ごまだんごを2個ずつお土産にと買って下さった。
私が無職なのを、非常に心配して下さっている。
私ゃまったく、とんでもねえ幸せ者だよ。
高円寺へ帰ってきてひとりカラオケしたのち、立飲み屋さん七助へ入店。
ぺろんぺろんで、その場にいらしたお兄さんたちと盛大に盛り上がる。
七助を愛する者に、わるいひとはいないのです。
帰宅して、歯磨きしたあと、所長のもたせてくれたお団子を思い出して即戴いた。
歯磨きからの、甘味。
相当に酔っていたんである。
本当にたのしい1日だった。
「俺はもう先が長くないからさあ。」
と笑う所長に、
「所長が長生きしてくれないと、私が魚三に来れなくて困ります!」
と叫んだ。
来月の魚三会も、楽しみが過ぎるぜ。

寒い冬の日が多くなってきたので、皆様お身体ご自愛下さいね。
今夜は休肝日にして、内臓器と喉のケアに徹しよう。
皆様もよい夜をお過ごし下さい。

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